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ミステリー小説: どんでん返しのパターン分析(ネタバレ無し)

ミステリー小説の中に「どんでん返し」と言われるタイプのものがある。終盤になって、アッと驚くオチが待っていて、それまでの読者の思い込みをひっくり返し、読者を騙すものだ。これまで何冊か「どんでん返し」のミステリを読んで、その考え方のようなものが見えてきたため、そのトリックの特性を考察してみる。

どんでん返しの基本的な考え方

小説の根幹にかかわる部分で、読者に、ある「思い込み」させ、最後にそれを裏切る。それは、多くの場合、小説の中心人物の描写に関するものである。(狭義のどんでん返しかもしれない。それ以外のものはここでは触れない)

つまり、中心人物に関して、
(A) 読者の誤った思い込み
(B) 最後に判明する真実
の2つをいかに設定するかが、どんでん返しの基本である。(A)(B)のギャップが大きければ大きいほど、読者が受ける衝撃も大きい。そのため、人物の極めて基本的な側面で大きなギャップを設定するのがポイントである。これは、以下のようなパターンに分類できると考えられる。
(それぞれのパターンの小説を読んだことがあるが、ここではネタバレは無いので、ご安心を・・・。)


【1】 1人の人物の極めて基本的な属性を用いたトリック

[1-1] 年齢 (若者と思ってたら、実は老人だった)
[1-2] 性別 (男と思ってたら、実は女だった)
[1-3] 国籍・人種 (日本人と思ってたら、実は外国人だった)
[1-4] 職業・立場 (社会的地位が、低いと思ってたら、実は高かった)
…など。

【2】 複数の人物のアイデンティティを用いたトリック

[2-1] N:1 (全く別人のように描かれていた2人の人物が、実は同一人物だった。)
[2-2] 1:N (1人の人物を描いているように見えたが、実は、途中から別人に変わっていた。)
[2-3] 入れ替わり (例えば、前半で、A,Bの2人がいて、後半にもA,Bがそのまま出ていると思ったら、実は、AとBが、途中から逆になってた。)
[2-4] 対応の誤解 (例えば、2つのストーリーを並行して描いていて、ストーリー1にA・B、ストーリー2にC・Dがいて、A=C,B=Dだと思っていたら、実は、A=D,B=Cだった。
…など。

以上の例を見て分かるように、これは、小説の「展開」ではなく「描写」によるトリックである。言い換えれば、文字だからこそできるトリックであり、映像化はほぼ不可能である。年齢・性別・同一人物かどうか、なんて映像で見れば分かってしまうのだ。「どんでん返し」は、映画やドラマではできない、小説の特権である。たった1行の文で「どんでん返し」を完成させることができる。その衝撃の一文は、読んでいて、誤植か?と思うほどのものもある。

・・・って、こんなことを考えながら読んでいると、純粋に小説を楽しめなくなってしまいそうだが・・・。もちろん、上記のパターンに当てはまらないものもあると思うので、斬新な発想のどんでん返しを、これからも読んでみたい。



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Author:管理人 ■民間企業勤務(情報技術系)。米国から帰国後、首都圏在住。 ■趣味:海外旅行、読書(経済・ビジネス書、歴史小説、ミステリー)、スポーツ観戦(野球、サッカー、フィギュアスケート)、マスコミ批判。
―― 書評よりも、自分用のメモ・備忘録に重点を置きます。おすすめできる書籍が中心です。


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