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読書メモ・情報整理ブログ TOP  >  2013年03月17日

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フィギュアスケート世界選手権2013: 採点方式・ジャッジの問題点、キム・ヨナの得点の検証

世界フィギュアスケート選手権2013(カナダ・ロンドン)が終了した。女子の結果は、
1. キム・ヨナ 218.31、2. コストナー 197.89、3. 浅田真央 196.47、4. 村上佳菜子 189.73、5. ワグナー 187.34、6. ゴールド 184.25、7. ジジュン・リ 183.85、8. オズモンド 176.82、....

フジテレビのくだらない録画放送を待たずに、Internetで生中継で見たが、特に、優勝したキム・ヨナ選手のスコアには大いに疑問が残る。以下にその疑問点を述べる。(誤解のないように言うと、演技そのものにケチをつけるつもりはない。良い演技だったことは認める。ただ、それでもスコアが出過ぎという話。)

まず、この試合のショートとフリーの採点の詳細を確認する。こちらのキム・ヨナのスコアを参照:
ショートプログラム・プロトコル (PDF)
フリー・プロトコル (PDF)
試合のスコア:
・ショート: 69.97 (TES 36.79, PCS 33.18)
・フリー: 148.34 (TES 74.73, PCS 73.61) ←このフリーが問題。

■ 世界選手権2013女子・キムヨナ選手のフリーのGOE・PCSのスコアの異常性:

(1) フリーのGOEの不自然さ:

キム・ヨナは、ショートとフリーで実施した同じ種類の要素(ジャンプ、スピン、ステップ等)について、それらの質は、ほぼ同程度だった。それなのに、フリーのGOEのほうが、一様に、判で押したように、異常に上げられている
キム・ヨナのGOEの上がり方(ショート → フリー):
・3Lz+3T: +1.4 → +1.9
・3F:  -0.2(e) → +1.9
・2A:  +0.86 → + 1.14
・StSq4(ステップ): +1.10 → +1.40
・CCoSp4(スピン): +0.86 → +1.21
・LSp3(スピン): +0.71 → +1.07
・・・・・
(いずれも、係数こみ。例えば、係数をかける前の、フリーの3Lz+3Tや3Fは、ほとんど「+3」。)


さらに、なんと、フリーでは、9人のジャッジ全員が、フリーの12個要素(全部で108ある)の全てに、 +1 以上をつけている。ゼロ、マイナスが一つも無い。これは不自然すぎる。

また、ショートでは、ほとんど無かった「+3」が、フリーでは激増している。

そもそもGOEの評価方法としては、各要素に、チェックポイントが複数決められていて、それらをクリアまたは違反した数によって、各ジャッジが、-3~+3の7段階で評価するが、どのチェックポイントをクリアしたとみなしたかは、記録に残らない。また、各チェックポイントのクリアの基準もあいまいで客観性が無い。例えば、ジャンプは、「高さおよび距離が十分」とか「音楽構造に要素が合っている」など、あいまいなものが多い。つまりジャッジの主観で、いくらでも +2を+3 に変えたりできる。また「○○選手の3Lzは、通常は+2でOK」のような暗黙の合意が支配的になってしまう。

こうした、いい加減なGOEが、いかに全体のスコアを大きく左右するかを見てみる。

今回のフリーの基礎点とGOE(基礎点の高い選手から順に):
浅田真央: 基礎点 62.30 + GOE 3.66
李子君 : 基礎点 60.60 + GOE 8.81
ゴールド: 基礎点 60.31 + GOE 4.91
キムヨナ: 基礎点 58.22 + GOE 16.51 (!?)

キムヨナは、基礎点は(完璧に滑っても)、出場選手中4位という、難度の低い構成だ。それでも、怪しい GOEで、浅田真央より13点、つまり3回転ジャンプ2個分以上も稼いでいる。これは、「採点の歪み」と言う他ない。

(浅田真央は、フリーでミスもあり、3F+3Loも入れなかったものの、基礎点は、出場選手中トップなので、基礎点・GOEとも、まだまだ伸びそうだが…。)

(2) フリーのPCSの異常な上がり方:

キム・ヨナは、ショートとフリーでは、演技全体の質は、それほど変わらなかった。しかし、演技全体の質を評価するPCS(演技構成点)のスコアは、フリーのほうが異常に高くなった。PCSの各項目の平均値は、
ショート 8.295 ⇒ フリー 9.201
と、実に1点近くも上がっている。

通常は、同程度の演技をした場合、PCSも同程度か、やや高くなる程度だ。例えば、この試合の浅田真央のPCSの平均値は、
ショート 8.100 ⇒ フリー 8.551
と、0.45ほどしか上がっていない。フリーのほうが良かったように見えたが、それでもこれくらいだ。

キムヨナのPCSも、仮に同じ上げ幅だと仮定すると平均8.7(これでも出過ぎ)となり、フリーのPCSは、69.6点くらいになるはず。実際は 73.61だったため、フリーのPCSで4点ほど盛られていると言える。

(3) PCSで10点満点の暴挙:

フリーのPCSで、10点満点を出したジャッジがいる。それも、のべ6項目も。10点満点というは、「これ以上は、物理的に不可能、これ以上やらなくていい」という意味であり、「フィギュアスケート女子シングルは、競技として、もう発展しなくていい、発展するな」というメッセージを発したことになる。競技に対する死刑宣告である。

だから、ジャッジは、よほどのことが無い限り10点満点を出してはいけない。しかも、複数のジャッジが同時に、こうした異常行動・暴挙に出たのは、事前に「キムヨナが良い演技をしたら10点出そう」という合意があったと思われても仕方がない。そうでなければ、簡単に10点を出せるわけがない。女子では、これまで、9点台すらめったに出なかったのだから。

なお、10点が出た項目は、
Performance / Execution (演技遂行)で2人
Choreography / Composition(振付・構成) で1人
Interpretation (音楽解釈)で3人
これら3つのPCSの項目は、ジャッジの趣味・主観・好き嫌いによるところが大きい。いくらでも言い訳ができる。

■ ルールの運用に問題がなかったか:

今回の、キム・ヨナのフリーのスコアの異常さの背景には、ショートプログラムのスコアが、韓国側の期待より低かったことがあるかもしれない(特にフリップの不正エッジで騒いでいた。実際はスコアは全然低くなくて、むしろ高すぎたのだが)。

韓国メディアの報道でも、ショートプログラムの採点への批判記事が多数載っていた。多くの記事はルールの無知によるいい加減なものだが…。また、猛烈なロビー活動をする韓国連盟のことだから、ISUにも、採点への異議など、何らかの働きかけがあったのではないか。

こうした空気が、フリーでのジャッジへのプレッシャーとなり、理不尽な高得点になってしまったと考えるのが妥当だ。

フィギュアスケートのルール・採点基準は、明文化された部分でもまだまだ問題が多いが、明文化されていない運用面での問題は、さらに多い。ジャッジの透明性の確保を急がねばならない。

※補足・追記
・本来のフリーのスコアはどうあるべきだったか(以下、概算)。まず、PCSは上記のとおり、約4点低くなる。GOEは、SPを参考にすると、SPの場合、GOE/基礎点 = 5.16/31.63 = 0.16。フリーも同じ比率とすると、GOE = 基礎点×0.16 = 9.32 となる。実際のフリーのGOE 16.51 より7点ほど低くなる。以上から、PCSとGOEで、合計11点ほど下がるはずで、フリーの本当のスコアは、137点くらいだった、と言える。

・金妍児選手本人も、得点が高すぎたことを認めている:「いい得点は出ると思ったが、こんなに高いものになるとは思わなかった。」http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013031700070&g=spo

・バンクーバー五輪のフリーより低いという指摘もあるかもしれないが、2010年の当時からルールが変わっている(GOEの係数縮小、スパイラル→コレオシーケンス、2Aを3回禁止など)。バンクーバー五輪のフリーも、スコアは高すぎたが、今回は、実質的にはそれを超えてしまっている。だからなおさら、その異常さが問題となる。2014ソチ五輪での再発防止を強く望む。



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Author:管理人 ■民間企業勤務(情報技術系)。米国から帰国後、首都圏在住。 ■趣味:海外旅行、読書(経済・ビジネス書、歴史小説、ミステリー)、スポーツ観戦(野球、サッカー、フィギュアスケート)、マスコミ批判。
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