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フィギュアスケート世界選手権2013: 採点方式・ジャッジの問題点、キム・ヨナの得点の検証

世界フィギュアスケート選手権2013(カナダ・ロンドン)が終了した。女子の結果は、
1. キム・ヨナ 218.31、2. コストナー 197.89、3. 浅田真央 196.47、4. 村上佳菜子 189.73、5. ワグナー 187.34、6. ゴールド 184.25、7. ジジュン・リ 183.85、8. オズモンド 176.82、....

フジテレビのくだらない録画放送を待たずに、Internetで生中継で見たが、特に、優勝したキム・ヨナ選手のスコアには大いに疑問が残る。以下にその疑問点を述べる。(誤解のないように言うと、演技そのものにケチをつけるつもりはない。良い演技だったことは認める。ただ、それでもスコアが出過ぎという話。)

まず、この試合のショートとフリーの採点の詳細を確認する。こちらのキム・ヨナのスコアを参照:
ショートプログラム・プロトコル (PDF)
フリー・プロトコル (PDF)
試合のスコア:
・ショート: 69.97 (TES 36.79, PCS 33.18)
・フリー: 148.34 (TES 74.73, PCS 73.61) ←このフリーが問題。

■ 世界選手権2013女子・キムヨナ選手のフリーのGOE・PCSのスコアの異常性:

(1) フリーのGOEの不自然さ:

キム・ヨナは、ショートとフリーで実施した同じ種類の要素(ジャンプ、スピン、ステップ等)について、それらの質は、ほぼ同程度だった。それなのに、フリーのGOEのほうが、一様に、判で押したように、異常に上げられている
キム・ヨナのGOEの上がり方(ショート → フリー):
・3Lz+3T: +1.4 → +1.9
・3F:  -0.2(e) → +1.9
・2A:  +0.86 → + 1.14
・StSq4(ステップ): +1.10 → +1.40
・CCoSp4(スピン): +0.86 → +1.21
・LSp3(スピン): +0.71 → +1.07
・・・・・
(いずれも、係数こみ。例えば、係数をかける前の、フリーの3Lz+3Tや3Fは、ほとんど「+3」。)


さらに、なんと、フリーでは、9人のジャッジ全員が、フリーの12個要素(全部で108ある)の全てに、 +1 以上をつけている。ゼロ、マイナスが一つも無い。これは不自然すぎる。

また、ショートでは、ほとんど無かった「+3」が、フリーでは激増している。

そもそもGOEの評価方法としては、各要素に、チェックポイントが複数決められていて、それらをクリアまたは違反した数によって、各ジャッジが、-3~+3の7段階で評価するが、どのチェックポイントをクリアしたとみなしたかは、記録に残らない。また、各チェックポイントのクリアの基準もあいまいで客観性が無い。例えば、ジャンプは、「高さおよび距離が十分」とか「音楽構造に要素が合っている」など、あいまいなものが多い。つまりジャッジの主観で、いくらでも +2を+3 に変えたりできる。また「○○選手の3Lzは、通常は+2でOK」のような暗黙の合意が支配的になってしまう。

こうした、いい加減なGOEが、いかに全体のスコアを大きく左右するかを見てみる。

今回のフリーの基礎点とGOE(基礎点の高い選手から順に):
浅田真央: 基礎点 62.30 + GOE 3.66
李子君 : 基礎点 60.60 + GOE 8.81
ゴールド: 基礎点 60.31 + GOE 4.91
キムヨナ: 基礎点 58.22 + GOE 16.51 (!?)

キムヨナは、基礎点は(完璧に滑っても)、出場選手中4位という、難度の低い構成だ。それでも、怪しい GOEで、浅田真央より13点、つまり3回転ジャンプ2個分以上も稼いでいる。これは、「採点の歪み」と言う他ない。

(浅田真央は、フリーでミスもあり、3F+3Loも入れなかったものの、基礎点は、出場選手中トップなので、基礎点・GOEとも、まだまだ伸びそうだが…。)

(2) フリーのPCSの異常な上がり方:

キム・ヨナは、ショートとフリーでは、演技全体の質は、それほど変わらなかった。しかし、演技全体の質を評価するPCS(演技構成点)のスコアは、フリーのほうが異常に高くなった。PCSの各項目の平均値は、
ショート 8.295 ⇒ フリー 9.201
と、実に1点近くも上がっている。

通常は、同程度の演技をした場合、PCSも同程度か、やや高くなる程度だ。例えば、この試合の浅田真央のPCSの平均値は、
ショート 8.100 ⇒ フリー 8.551
と、0.45ほどしか上がっていない。フリーのほうが良かったように見えたが、それでもこれくらいだ。

キムヨナのPCSも、仮に同じ上げ幅だと仮定すると平均8.7(これでも出過ぎ)となり、フリーのPCSは、69.6点くらいになるはず。実際は 73.61だったため、フリーのPCSで4点ほど盛られていると言える。

(3) PCSで10点満点の暴挙:

フリーのPCSで、10点満点を出したジャッジがいる。それも、のべ6項目も。10点満点というは、「これ以上は、物理的に不可能、これ以上やらなくていい」という意味であり、「フィギュアスケート女子シングルは、競技として、もう発展しなくていい、発展するな」というメッセージを発したことになる。競技に対する死刑宣告である。

だから、ジャッジは、よほどのことが無い限り10点満点を出してはいけない。しかも、複数のジャッジが同時に、こうした異常行動・暴挙に出たのは、事前に「キムヨナが良い演技をしたら10点出そう」という合意があったと思われても仕方がない。そうでなければ、簡単に10点を出せるわけがない。女子では、これまで、9点台すらめったに出なかったのだから。

なお、10点が出た項目は、
Performance / Execution (演技遂行)で2人
Choreography / Composition(振付・構成) で1人
Interpretation (音楽解釈)で3人
これら3つのPCSの項目は、ジャッジの趣味・主観・好き嫌いによるところが大きい。いくらでも言い訳ができる。

■ ルールの運用に問題がなかったか:

今回の、キム・ヨナのフリーのスコアの異常さの背景には、ショートプログラムのスコアが、韓国側の期待より低かったことがあるかもしれない(特にフリップの不正エッジで騒いでいた。実際はスコアは全然低くなくて、むしろ高すぎたのだが)。

韓国メディアの報道でも、ショートプログラムの採点への批判記事が多数載っていた。多くの記事はルールの無知によるいい加減なものだが…。また、猛烈なロビー活動をする韓国連盟のことだから、ISUにも、採点への異議など、何らかの働きかけがあったのではないか。

こうした空気が、フリーでのジャッジへのプレッシャーとなり、理不尽な高得点になってしまったと考えるのが妥当だ。

フィギュアスケートのルール・採点基準は、明文化された部分でもまだまだ問題が多いが、明文化されていない運用面での問題は、さらに多い。ジャッジの透明性の確保を急がねばならない。

※補足・追記
・本来のフリーのスコアはどうあるべきだったか(以下、概算)。まず、PCSは上記のとおり、約4点低くなる。GOEは、SPを参考にすると、SPの場合、GOE/基礎点 = 5.16/31.63 = 0.16。フリーも同じ比率とすると、GOE = 基礎点×0.16 = 9.32 となる。実際のフリーのGOE 16.51 より7点ほど低くなる。以上から、PCSとGOEで、合計11点ほど下がるはずで、フリーの本当のスコアは、137点くらいだった、と言える。

・金妍児選手本人も、得点が高すぎたことを認めている:「いい得点は出ると思ったが、こんなに高いものになるとは思わなかった。」http://www.jiji.com/jc/zc?k=201303/2013031700070&g=spo

・バンクーバー五輪のフリーより低いという指摘もあるかもしれないが、2010年の当時からルールが変わっている(GOEの係数縮小、スパイラル→コレオシーケンス、2Aを3回禁止など)。バンクーバー五輪のフリーも、スコアは高すぎたが、今回は、実質的にはそれを超えてしまっている。だからなおさら、その異常さが問題となる。2014ソチ五輪での再発防止を強く望む。



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フィギュアスケートの「世界歴代最高得点」「自己ベスト」は、ルール改正分を換算して比較せよ。

※ 一部、タイトルと本文を修正しました。

フィギュアスケートの報道で、「パーソナルベスト更新」「史上最高得点を更新」のような表現を見ることがあるが、単純に数字を比較するのは、意味がない。毎年ルール・採点基準が変わるからだ。特に女子は、バンクーバー五輪後、大幅にルールが改正され、高得点が出にくくなっている。異なるシーズン間でスコアを比較をする場合、ルール・採点基準の変更分を換算・補正しなければならない。そうしないと、実態と乖離した誤報になる。この問題を検証する。


■ バンクーバー五輪の頃は得点は、今のルールで換算すると、大幅に下がる:

例として、データ上の最高得点(SP,FS,Totalとも)である 2010年バンクーバーオリンピックのキム・ヨナのスコアが、現行ルールで、大幅に下がることを、計算して明らかにする。

SPのスコア補正
2010五輪・女子SPのプロトコルを参照し、キム・ヨナのSPの各要素(elements)の基礎点(Base Value)と GOEが、現行ルールでどう変わるかを示す:

3Lz+3T の基礎点: 10.0 → 10.1 (+0.1)
3Lz+3T のGOE: 2.0 → 1.4 (-0.6)
3F の基礎点: 5.5 → 5.3 (-0.2)
3F のGOE: 1.2 → 0.84 (-0.36)
SpSq4(要素削除): 5.4 → 0 (-5.4)
2A の基礎点: 3.5 → 3.3 (-0.2)
2A のGOE: 1.60 → 0.8 (-0.8)
2A が後半と仮定して基礎点1.1倍: 3.3 → 3.63 (+0.33)
<他の要素の変更は軽微のため省略する>


⇒ ルール変更によるSPでの差分の合計: -7.13
⇒ 五輪のSPのスコア 78.50 - 差分 7.13 = 現行ルール補正SPスコア: 71.37

フリーのスコア補正
2010五輪・女子フリーのプロトコルを参照し、キム・ヨナのフリーの各要素(elements)の基礎点(Base Value)と GOEが、現行ルールでどう変わるかを示す:

3Lz+3T の基礎点: 10.0 → 10.1 (+0.1)
3Lz+3T のGOE: 2.0 → 1.4 (-0.6)
3F の基礎点: 5.5 → 5.3 (-0.2)
3F のGOE: 1.8 → 1.26 (-0.54)
2A+2T+2Lo の基礎点: 6.3 → 6.5 (+0.2)
2A+2T+2Lo のGOE: 1.4 → 0.7 (-0.7)
SpSq4(要素削除): 5.4 → 0 (-5.4)
2A+3T の基礎点: 7.5 → 7.4 (-0.1)
2A+3T のGOE: 2.0 → 1.4 (-0.6)
3S(後半) の基礎点: 4.95 → 4.62 (-0.33)
3S のGOE: 1.4 → 0.98 (-0.42)
3Lz のGOE: 2.0 → 1.4 (-0.6)
2A(3回目)は回数制限違反のため 2Lz(後半)に変換 3.85 → 2.31 (-1.54)
(現ルールでフリーで2Aは2回まで。キムは3Lo跳べないため構成上2回転しか入らない)
2A のGOE: 1.4 → 0.42 (-0.98)
(2Aの当時のGOE幅から上記の2Lzの現GOE幅に変換)
ChSq1(要素追加): 0 → 3.5 (+3.5)
(基礎点 2.1, GOEは、五輪のスパイラルの+2相当=+1.4と仮定)
<他の要素の変更は軽微のため省略する>


⇒ ルール変更によるフリーでの差分の合計: -8.21
⇒ 五輪のフリーのスコア 150.06 - 差分 8.21 = 現行ルール補正FSスコア: 141.85

◆以上から、SP+FSの合計スコアは:
五輪でのスコア: 78.50 + 150.06 = 228.56
ルール改正による補正分: -7.13 - 8.21 = -15.34
⇒ 現行ルールの場合のスコア: 71.37 + 141.85 = 213.22

つまり、女子シングルの世界歴代最高得点とされているスコアは、現行ルール換算で、
SP 71.37点, フリー 141.85点、合計 213.22 点
くらいであると言える。五輪時でのスコア 228.56点より大きく下がることが分かる。

上記の例に限らず、他のトップ選手についても計算すれば分かるが、ルール改正によるスコア減少の要因としては、SPのスパイラル削除と、GOEの幅の30%削減が大きい。

(上記のキム・ヨナの2010五輪のスコアの換算では、あくまで、ルール・採点基準の変更分のみを対象にしている。キム・ヨナの五輪のスコアは、PCSやGOEの加点が大きく、インフレだったと言われているが、ここでは考慮に入れていない。もしインフレ分を考慮に入れれば、もっと低い点になることに留意されたい。)

選手の演技の公正な評価のために:

ただ単に「世界最高得点は○○点」のように報道するのは、選手の演技の正当な評価を妨げることになる。特に、2010年の五輪までに高得点を得た選手は、実態よりも不当に高く評価され、ルール改正後に活躍した選手は、実態よりも低く評価される。全ての選手の名誉のため「世界歴代最高得点は無意味」「比較するならルール改正分の補正をすべき」ということを、多くの人に認識してもらえるよう、フィギュアスケートの専門家や報道機関には、啓蒙活動をしてもらいたいくらいだ。

■ 浅田真央の2013四大陸選手権・SPは、事実上は世界歴代最高得点を更新(当時):

2013年の四大陸選手権で、浅田真央は、SPで2年ぶりにトリプルアクセル(3A)を成功させ、優勝した。このときの浅田真央のSPのスコア 74.49点は、下記の世界歴代最高得点の補正値(後述) 71.37点を大幅に上回っている。つまり、事実上は、女子ショートプログラムの世界歴代最高得点を更新しているのだ。

しかし、マスコミの報道では、事実上の記録更新と言わない。それどころか、浅田真央のルール改正前の自己ベスト 75.84 より低いため、「自己ベストに迫る…」程度の言い方しかされてない。演技の本来の価値が正しく評価されないのは、残念でならない。次の試合、2013世界選手権からは、まともな報道をしてほしい。

(なお、浅田真央が、SPで補正値換算でこれほど高得点が出せたのは、ルール改正によりSPで、2Aの代わりに3Aを跳べるようになったことが大きい。)
参考:2013四大陸選手権・女子SPのプロトコル



(参考)
五輪当時(2009/2010) ⇒ 現在(2012/2013) の、主なルール・採点基準の変更点
(軽微な変更、ジャンプのUR導入など最高得点には影響しない変更は、省略):
(1) GOEの加点・減点幅
・3回転ジャンプ:
{-3.0, -2.0, -1.0, 0, +1.0, +2.0, +3.0}
→ {-2.1, -1.4, -0.7, 0, +0.7, +1.4, +2.1}
・ダブルアクセル:
{-2.5, -1.6, -0.8, 0, +1.0, +2.0, +3.0}
→ {-1.5, -1.0, -0.5, 0, +0.5, +1.0, +1.5}
(ジャンプのGOE幅は約30%減。影響大。)
(2) ジャンプ基礎点見直し
3T: 4.0→ 4.1, 3S: 4.5→ 4.3, 3Lo: 5.0→ 5.1, 3F: 5.5→ 5.3, 3A: 8.2→ 8.5, 2A: 3.5→ 3.3.... など多数
(差分は小さい)
(3) SPでスパイラルが削除:
Level4の場合: 基礎点 3.4 {GOE -3~+3} → 0
(トップ選手の場合、スパイラルで5~6点取ってたのが無くなった。これは大きい。)
(4) FSでスパイラル削除・代わりにコレオシークエンス導入:
Level4の場合: 基礎点 3.4 {GOE -3~+3} → 0
コレオシーケンス:0 → 基礎点 2.0 {GOE -1.5~+2.1}
(トップ選手は、だいたい差引 2点ほど減る)
(5) SPの後半ジャンプは基礎点1.1倍
(微増)
(6) フリーで2Aは2回まで
(キム・ヨナのようにフリーで2Aを3回跳ばざるを得なかった選手は影響あり)

(参考) 国際スケート連盟は「世界記録」を認めていない:


歴代最高得点の類について、ISU(国際スケート連盟)は、"statistics"(統計)という表現で、数値を保存・公開しているが、"record"(記録)としては認めていない。ISU statistics のwebページ の最下段に
"The best results achieved in competitions operating under the ISU Judging System are referred to as “highest scores” and “personal bests”. The ISU does not currently recognize the highest scores as “World records”."
という記述がある。世界記録とは認めていないのだ。毎年ルールが変わるのだから当然だ。むしろ、誤解を防ぐため、ISUは、歴代最高スコアの情報は webから削除すべきである。特に2010五輪までは、得点の出方に問題があったため、上記のようなGOEの係数変更等の大幅なルール改正をしたのだから。


フィギュアスケート世界選手権2011不可解な採点/安藤美姫1位、キム・ヨナ2位、浅田真央6位

世界フィギュアスケート選手権2011が終了した。
女子シングル結果
1. 安藤、2. キム、3. コストナー、 4. レオノワ、 5. シズニー、 6. 浅田、・・・

優勝した安藤美姫には、おめでとうと言いたい。
しかし、何か釈然としない試合だった。

■ 不可解な採点:

スコアの出方が不自然だった。「採点がおかしい!不正、八百長だ!茶番だ!」と思った人も多いだろう。

実際に、試合の映像や、採点の詳細(プロトコル)を見れば見るほど、疑問が出てくる。
詳しくは、こちらを参照:
ショート
フリー

思えば、今回、試合をやる前から、嫌な予感はしていた。

浅田真央と安藤美姫の、どちらかが不当に下げられる恐れがあることは、事前に容易に想像できた。

【理由】

(1) 欧州開催(特に今回は代替開催)のため、欧州選手が一人は表彰台に乗ることが、強く求められる。これまでも、欧州開催の世界選手権では、欧州選手の少なくとも1人は、スコアが救済措置的に不自然に高くなり、表彰台に乗ってきていた。(最近では、2010レピスト、2008コストナーなど。今大会も欧州勢が全体的にインフレなのは明らか)

(2) キム・ヨナは、韓国の地元五輪招致(2018年)のために、わざわざ、一度引退したのを今回1試合だけ復帰してきた。試合のスポンサーにも、HYUNDAI等の韓国企業がついていた。キムは、五輪招致成功のため、できれば優勝、最低でも表彰台が義務付けられている。周辺の「関係者」も相当なプレッシャーを感じて、「仕事」をしていただろう。

(3) (1)(2)を満たすには、残りの表彰台は1枠のみになる。しかし、日本の浅田真央、安藤美姫とも、実力どおりなら、優勝を争う。必然的に、日本人両選手のどちらか一方を、確実に表彰台から落とすため、スコアを下げる必要が生じてしまう。

今回は、おそらく両選手の調子の優劣を考慮され、浅田真央が、標的にされたと見られる。(その分、安藤は、そこそこのスコアが与えられて、バランスはとられた。)

(※ 逆に、昨シーズンの五輪、世界選手権では、安藤美姫が、不当に下げられ、表彰台を許されなかった。これは気の毒だった。だいたい、日本人2人が、五輪や世界選手権で表彰台に上がるのは、地元開催(例2007年ワールド)でもない限り、許されないだろう。トリノ五輪の村主の4位、昨シーズン世界選手権の安藤の4位が象徴的。)

今回の世界選手権、採点を詳細に見れば見るほど、浅田真央への集中砲火ぶりが際立つ。

たとえば、以下のとおり:

フリーのPCS 59.94は、全体の7位。レオノワ、マカロワ等よりも低く、平凡な演技だったキム・ヨナより7点も低い。浅田真央の実力・実績から考えれば、ありえない低さ。

ショート、フリーとも、トリプルアクセル(3A)が、ダウングレード(DG)され2Aの基礎点からさらに減点。しかし、スローでよく見ると、DGは厳しすぎる。UR(回転不足)相当。
(補足:特にフリーの3Aは、HD画質のスローで何度見ても、0.5以上の回転不足にはなっていない。ほとんど回転は足りているくらいだ。DGは絶対におかしい。これは、ISUに抗議すれば認められるかもしれないくらい、酷い。悪意を感じる。)

・ショートの3FのURも、スローでみると、厳しすぎる。

・他の多くのジャンプ、スピンのGOEの加点も、キム・ヨナ、安藤美姫らと比べると、全体的に、不自然に低く抑えられている。

・・・・(挙げればきりがない)

演技を見たままの印象では、最近の試合との比較で考えると、浅田真央のショートは63点、フリーは125点(合計188点)くらいだと思ったが、実際は、172.79点。15点ほど低かった。
(一方、キム・ヨナ、安藤美姫は、見た目の印象より、5~10点ほど高いように見えた。)

思えば、浅田真央は、今季はジャンプの修正・再構築に取り組み、まだ完成はしていない。
それに加えて、今回は東日本大震災の影響で、日程が変更になり、コンディション作りもうまくいかず、体重も4・5kg減ったという。
そういう状況では、なかなか厳しかっただろう。

■ フジテレビの放送:

例年どおり、あまりに酷い放送だった。特に、以下の点:

・いつもどおり録画放送。しかも今回は、わざわざロシア側が、震災で苦しむ日本で生中継しやすいように、時差を考慮して時間帯を設定してくれたのに。好意を無駄にして、生中継しなかったことが知れたら、世界の恥。

・LIVEではなく、わざわざ録画放送にした理由は、フジの放送を見ていればよく分かる。(1)最終グループ付近ではCMを多く入れるため。LIVEだと、採点待ちの時間が短くCMが短くなる。(2)韓国に不利な映像、ブーイング等を未然に防ぎ、韓国に有利なものを挿入するため(過去の試合で前科あり)。

・試合の放送のほか、他の情報番組でも、韓国の宣伝がしつこい。キム・ヨナを、他の日本人選手以上に大事に扱う。キム・ヨナのジャンプのミスは、あまり放送しないが、対比のため、浅田真央のジャンプのミスは、何度もリピートして、減点の理由をしつこく説明し、不当な減点を正当化しようとする(荒川静香に、台本を読ませる)。震災後、「一つになろう、日本」と言うキャンペーンをしながら、日本より韓国を大事にするのは、悪い冗談だろう。

・フリーでは、第三グループの6人のうち、初めのほうの4人しか放送しなかった。後の2人はカットされた。第二グループの選手も何人か放送したのに。おそらく、時間配分を間違えて、編集が間に合わないと判断したのだろう。おかげで、臨場感が全く無し。浅田真央の演技後、残りの選手が何人いるのかも分からないようにしてたのだから。


以上、とにかく、すっきりしない試合だった。

参考記事1参考記事2 (Yahoo!)


DVD「浅田真央 20歳になった氷上の妖精」について考察


フィギュアスケート・浅田真央のDVD
「浅田真央 20歳になった氷上の妖精」

が発売されます。もう何年も前から、「浅田真央の名演技を集めたDVDを出せば、売れるはず。ほしいと思うファンも多いはず。どこか、出してくれ・・・」と考えていましたが、ようやく実現するらしい。その内容について・・・・

■ 概要:

・発売元「フジテレビジョン/ポニーキャニオン」。
→ フジテレビで放送した試合や、フジテレビが取材等で持っている映像が中心と思われる。テレビ朝日、NHKも、良い演技の映像は持っているのだが、それも合わせるには、いろいろ調整が難しいのだろう。

・収録時間 156分+特典映像 21分。
→ トータルの長さとしては十分。これで、定価 3,990円(Amazon実勢価格 2,970円)なら、高くはない。

・内容: 全体の約1/3が、試合の演技の映像。他に、プライベート映像・練習風景・幼少期の映像などで構成。
→ 試合の映像がもっと多いほうが良いかも。

・試合の映像:8曲12演目を、実況・解説無しのノーカット・完全版で収録。
→ これは素晴らしい。余計な編集が無いことが重要。

・BD(ブルーレイ)での発売はないのだろうか。地デジで演技を見慣れているファンは、HD画質を望んでいると思うが。また、下記のとおり、収録曲はもっと多いほうがいいので、続編が期待される。

■ 収録演技の詳細について

以下の演技が収録される予定(12演目):
----------
●虹の彼方に 映画「オズの魔法使い」より
・2004年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権SP
●バレエ組曲「くるみ割り人形」
・2005年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権FS
●チャルダッシュ
・2006年12月29日 全日本フィギュアスケート選手権FS
・2007年3月24日 世界フィギュアスケート選手権FS
●ヴァイオリンと管弦楽のためのファンタジー
・2007年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権SP
●仮面舞踏会
・2008年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権FS
・2009年12月26日 全日本フィギュアスケート選手権SP
・2010年2月23日 バンクーバーオリンピックSP
●前奏曲Op.3-2「鐘」
・2009年12月27日 全日本フィギュアスケート選手権FS
・2010年3月27日 世界フィギュアスケート選手権FS
●タンゴ
・2010年12月25日 全日本フィギュアスケート選手権SP
●愛の夢
・2010年12月26日 全日本フィギュアスケート選手権FS
------

これを見る限り、ポリシーとして、
・フジテレビで放送された試合(全日本選手権、世界選手権)
・ほぼノーミスの演技だった試合
が収録されているようだ。

なお、

2004/2005フリー「風変わりな店」
2005/2006ショート「カルメン」
2006/2007ショート「ノクターン」
2007/2008フリー「幻想即興曲」
2008/2009ショート「月の光」
毎年のエキシビション

は収録されないらしい。しかし、特に、「ノクターン」「幻想即興曲」が無いのは、ちょっとさびしい。フジテレビの映像であれば、ノクターンなら2006の全日本選手権、幻想即興曲は2008の四大陸選手権なら、ノーミスだったので、収録してもよかったと思うのだが・・・。

バンクーバー五輪のフリーや、2008世界選手権フリーも、ミスはあったものの、気迫に満ちた素晴らしい演技だったため、あえて収録してもよかったと思う。
また、エキシビションの演技も、特に、2008/2009のタンゴ、2009/2010のカプリースは、入れてほしかった。

■ おまけ:
2週間遅れの3/30に、韓国キム・ヨナ選手のDVD も、同じ会社から発売される予定。しかし、こちらは、
・収録時間は、たったの 99分間(なのに2枚組)。
・収録演技は、たったの4つ。しかも「※演技は全てダイジェスト版です。」とのこと。編集してしまっては、演技は「作品」として成立しない。何のためにわざわざDVDにして売るのだろうか。ノーカットで見せられる演技が無かったから?
・・・ということで、ご愁傷様です。

浅田真央のDVDは、購入予定です。実際に観てから、またレビューします・・・。
→ Amazonで詳しく見る


「浅田真央 さらなる高みへ」 (吉田順) レビュー/メモ


浅田真央 さらなる高みへ (吉田順)

★★★★★


・浅田真央の誕生から2010年末までの20年間の軌跡を、網羅的に記述したもの。
・本人や関係者への取材、客観的な事実の蓄積を重視し、それらをバランス良く配置・構成することに徹底している。スポーツジャーナリズムは、本来こうあるべき。(一部のスポーツライターは、自分の好き嫌い・価値観を、読者に押しつけようとするが、そんなものは誰も求めていない)

・そのためか、浅田真央に関して、今までメディアに出ることはなく、知られていなかったことも多く書かれている。
・著者は、フィギュアスケートの専門家ではないが、それがかえって、余計な先入観が無くて、良い。
・著者の思い込み・エッセイではなく、他の記事の引用などもない。
・浅田真央本人が、読者第一号として目を通しているため、内容の信頼性も高い。

・2004年の全日本選手権、2005年のGPシリーズ中国・フランス大会、毎年のエキシビションのプログラムに関する記述など、もっと書いてほしいこともあったが・・・。
・他国の某選手との「ライバル対決」は、マスコミが勝手に作った「虚構」。
・競技の周辺環境に関することで、厳しい面もあったはずだが、それにはあえて触れていないと思われる(2009年初頭の頃に、モチベーションが下がった本当の理由など)。
・本書のメイキングブログ(http://gakken.jp/ep-koho/?cat=23)も合わせて読むと良い。

-----
■読書メモ

※以下、おそらく、今まで他のメディアでは、ほとんど書かれていなかった事項
(取材を通じて分かったことだろう):

・母親が真央にフィギュアスケートを習わせたのは、バレエに役立てるため(有名なバレエダンサーが元フィギュア選手だったこともあって)。
・6歳の頃の仙台合宿での真央の様子を、長久保コーチや荒川静香も覚えていた。ジャンプの才能を感じたとか。
・真央と舞が子供のころ、同じ試合に出ることは少なかった。母の配慮から。
・2002年、長野の世界選手権で、真央と母親は、タラソワに会った。その頃から、母親は、将来タラソワをコーチにつけたいと考えていた。
・伊藤みどりのトリプルアクセルの軸の傾きは 75度、真央は 85度。伊藤は、助走の軌道が直線的、真央は半円に近く遠心力を利用する形。
・2004年の、初めてのジュニアGPシリーズは、当初は出る予定が無かったが、姉の浅田舞が足を骨折したため、代わりに出た。そこで快進撃。
・2006年、渡米後のコーチ、アルトゥニアンは、真央はクレバーなので、真央の言うとおりにする、というスタンスだった。
・真央はスケート靴を大事にする。長く使うため、年に2足しか使わない。2006年シーズンは靴を変えるタイミングで苦しんだ。
・2006年の全日本は、小指を骨折し深刻な状況の中で、優勝。それまでで一番うれしかった。
・2006/2007シーズンまで、基本的に衣装は母親がデザインしていた。
・2008四大陸選手権の前、アルトゥニアンは「練習を見てないので責任持てない」として、来なくなった。急きょ、小林れい子氏が、サポートすることになった。
・2008世界選手権の1か月前に、靱帯損傷のけがをした。1週間絶対安静のと言われる中、少しずつできる練習をして、試合に備えた。
・小林れい子は、真央に、公式練習でもジャッジらにアピールするよう助言した。
・2008シーズン前は小塚コーチ(小塚崇彦の父)にスケーティングを見てもらい改善した。タラソワにも「スケーティングが変わったわね」と言われた。
・2009(2010五輪)シーズンまで、真央の靴は、既製品を使っていた。このシーズン前は、10セットほど取り寄せ、ブレード・靴の組み合わせを調整しながら、滑り比べ、小塚コーチと相談して決めた。
・五輪選考がかかる全日本選手権の1か月前、ジャンプが絶不調の中、見かねて、長久保コーチが助言した。「助走スピードが足りない」「腰が早く回り始めている」など。そこから復調できた。
・バンクーバー五輪前にには、岡崎真、河野由美コーチの助言により、トリプルアクセルの回転不足対策。助走の軌道を、より円くすることで回転速度アップ。
・五輪後、母親は、真央のスケートから離れることにした。
・五輪後、スケート靴をオーダーメードに変えた。
・「究極のスケーター」になるのが夢。
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Author:管理人 ■民間企業勤務(情報技術系)。米国から帰国後、首都圏在住。 ■趣味:海外旅行、読書(経済・ビジネス書、歴史小説、ミステリー)、スポーツ観戦(野球、サッカー、フィギュアスケート)、マスコミ批判。
―― 書評よりも、自分用のメモ・備忘録に重点を置きます。おすすめできる書籍が中心です。


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