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「人生がときめく片づけの魔法 改訂版」(近藤麻理恵)読書メモ・レビュー

人生がときめく片づけの魔法 改訂版
近藤麻理恵
河出書房新社
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こんまりメソッドは、実践途中だが、効果ありと実感。
この片付け方法の本質は、「全ての物の『定位置』を固定できる程度まで、物の量を減らすこと。そこまで減らすには、『自分が気に入った物だけ』を残すべき。そうなれば、リバウンドしない」ということか。合理的な方法。

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■メモ:

「モノを捨てること」と「収納場所を決めること」。

「捨てる」が先。「捨てる」作業が終わるまでは、収納について考えてはいけない。

具体的に「理想の暮らし」を妄想してみること。本来片づけで選ぶべきなのは、「捨てるモノ」ではなくて「残すモノ」。

モノを一つひとつ手にとり、ときめくモノは残し、ときめかないモノは捨てる。持っていて幸せかどうか。

心がときめくモノだけに囲まれた生活をイメージする。心がときめくモノだけを残す。あとは全部、思い切って捨ててみる。

場所別ではなく、モノ別に片付ける。場所別にすると、判断・収納が二度手間で、時間もかかるし、「残す」「捨てる」の正確な判断もできない。

モノ別の手順:収納から一つ残らず出して、一か所に集める。

順序:衣類、本類、書類、小物類、思い出品。この順番がベスト。

作業は、なるべく静かで落ち着ける環境で。音楽やテレビはNG。

捨てられないモノには、本当の役割を考えること。役目を終えているモノは、感謝して手放す。

(1)衣類:

順序:
トップス(シャツ・セーター など)
→ ボトムス(ズボン・スカート など)
→ かけるモノ(ジャケット・スーツ・コート など)
→ 靴下類  
→ 下着類
→ バッグ
→ 小物(マフラー・ベルト・帽子 など)
→ イベントモノ(浴衣・水着 など)
→ 靴

「一つ残らず集めること」がポイント。

必ず収納から出して床に積み上げること。一つずつ必ず触って判断すること。オフシーズンの服は「次の季節にぜひ会いたいか」。

衣類の収納:「かける収納」よりも「たたむ収納」が場所をとらないのでおすすめ。「立てる」は収納の一番の基本。正しいたたみ方:「できあがりがつるんとシンプルな長方形になること」。

ハンガーにかけると良いもの:コート、スーツ、ジャケットなど。折り曲げないほうが良いもの。ハンガーには、同じカテゴリーのモノは隣り合わせにしてまとめて、「右肩上がり」にかける。短めの靴下は三つ折り。

衣替えは不要。洋服を分類しすぎない。ざっと素材別に分けて引き出しに入れる。収納用品は、気軽に取り出せる引き出し型がおすすめ。

(2)本:

まず、全ての本を、本棚から出して、床において積んでいく。これは絶対に必須。

カテゴリー別の場合、一般書籍 → 実用書 → 観賞用 → 雑誌。

中身を読まず、手にとってときめく本だけを残す。一度読んだ本の再読はまず無い。「経験した」として役目を終えたため、ときめかなければ捨てる。

未読・途中まで読んだ本は、捨てる。読み時でなかったことを気づかせてくれて役目を終えている。

殿堂入りの重要な本は残す。

(3)書類:

書類は全捨てが基本。

「今使っている」「しばらく必要である」「ずっととっておく」。この3つに該当しない書類は全て捨てる。

書類の整理:「未処理」(縦型ボックスが良い)、「保存」(契約書類)、「保存」(契約書類以外。たまに読む)に分ける。

家電の保証書は、クリアファイルに分けずに入れるだけ。取説は捨てる。

年賀状は、住所録として1年分だけ残して、他は捨てる。手紙などの思い出の品は別の扱い(後で)。

(4)小物類:

順序:
CD・DVD類
→ スキンケア用品
→ メイク用品
→ アクセサリー類
→ 貴重品類(印鑑・通帳・カード類)
→ 機械類(デジカメ・コード類など。電気関連)
→ 生活用品(文房具・裁縫道具など)
→ 生活用品(薬類・洗剤・ティッシュなど消耗品)
→ キッチン用品・食料品
→ その他

個人的な趣味のモノは、それを一つのカテゴリーとして扱う。

小銭は財布に。

プレゼントは、気持ちを受け取ったら役目は完了。自分の趣味でなければ捨てる。

携帯電話の備品類、家電等の謎のコード類は、ほぼ不要。捨てる。

洋服はボタンが取れた時点で寿命。予備ボタンは捨てる。

来るか来ないか分からない来客用の布団は、不要。

(5)思い出品:

今ときめくものだけ残す。過去にこだわらない。過去に片を付けるため捨てる。実家に送らない。

写真は、発掘されたら一箇所に集めて、最後に整理。アルバムから出して1枚ずつ判断する。旅行の写真は、一日で5枚くらいまで。

もらった手紙は捨てる。役割は、受け取った時点のみ。出したほうは忘れている。

モノを減らし続けると、自分の適正量に気づく瞬間が来る。それを通過すると、モノが増えなくなる。

○収納:

全てのモノの定位置を決める。一つ残らず決める。一つでも住所不定のモノがあると、一気に散らかり、無駄なモノが増えてしまう。

収納は、限界までシンプルにする。自分が持っているモノを把握できる状態にする。

同じカテゴリーのものは、一か所に収納。分散させない。収納のカテゴリーは、持ち主別、モノ別。

モノ別の収納(一か所にまとめる):衣類、本類、書類、小物類、思い出品。

モノを出す手間・行動動線は、無視してよい。しまう際の分かりやすさが重要。一点集中収納が良い。

全てのモノは、立てて収納する。積むのを避ける。積むと、際限なく場所をとり、下のモノが忘れられる。書類は、特に、下に積まれると未処理のままになる。

収納に有用なもの:引き出し状クリアケース・引き出し・箱・カゴなど、簡単なもの。これらをクローゼットに入れるとよい。

靴などの箱類は有用。引き出し、洗面所、キッチン等で、間仕切りに使える。

バッグの中身は空にして、定位置に戻す。

浴室のシャンプー類、キッチンのシンク周りのスポンジ類は、水気にさらさない場所に置く。

家の一角(本棚の最上段)をマイ神棚にする。部屋を、単なる物置ではなく、神社のような空間にする。

収納も含めて、ときめかない余計な文字情報を見えないようにして、落ち着ける部屋にする。

○その他:

片付けをすると、本当に自分がしたいこと・好きなものが見つかり、生活が変わる。自分の棚卸し。

捨てられない理由:「過去に対する執着」か「未来に対する不安」のどちらかを考える。一つひとつのモノを向き合って、感情を味わって、モノとの関係が消化できる。

捨てたモノが必要になっても、後の行動でどうにかなる。探す必要が無いストレス軽減効果は大きい。

片付けると健康にも良い。ホコリが減り、掃除の頻度も上がる。

片付けは、一気に、短期間に終わらせる。継続するものではない。一生ついてまわるのは、「捨てるか残すかを判断する」「残すと決めたモノを大切にする」。

「深夜特急」(沢木耕太郎)レビュー・読書メモ

深夜特急1-香港・マカオ- (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社
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全巻まとめて読んだ。海外旅行好き・バックパッカーのバイブル。私は、50か国近く旅行した後で、あえて、この本を読んでみた。
自分が行った町についての記述を読むと、意外とつまらないというか、物足りない。一方、自分がまだ行ってない町のところを読むと、面白く感じるし、行ってみたい!と強く思う。やはり、旅は、自分で行って、自分の意思で行動することに価値がある、ということか。

著者のように、現地に住んでいる日本人と話す機会があれば、学ぶことも多く幸運だと思う。

現地での人との関わり、町の雰囲気、の記述が多い。結局、町というのは、人で成り立っている。人を通して、全てが見えるとも言える。実際の旅でも、現地での人との関わりに重点を置きたい。

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■メモ:

香港の、町が持つエネルギーに関する話がよく描かれている。露店・マーケットの活気の良さがよく描けている。無秩序さ、意外性が、旅の面白さ。

マカオのギャンブルと、そのイカサマの手口が面白い。人の行動に焦点を当てる旅の面白さの見本。

香港の海上フェリーの静謐さ、聖なる場所という感覚、現地の人も景色を眺めている。観光客向けでなく、現地の人が大事にしているものこそ、その土地の宝として、着目したい。

タイ、マレーシアなど東南アジアでは、売春宿のような怪しげなホテルも多く、その見極め方や、そこに泊まった場合どうなるか、よく分かって面白い。旅では、宿を通して、いろいろ分かることがある。

旅の中で、筆者にとって最も印象の強かった場所は、おそらく、カルカッタだろう。いくら歩いても飽きない、という。
「確かに、何があるという街ではない。しかし、カルカッタには、いま生きている人間に関わるものならすべてあった。たとえば、路上に坐りこみ、あるいは横たわり、通りすがりの者に手を差し伸べている物乞いには、この地上に存在するあらゆる病が巣くっているようだった。」
「カルカッタにはすべてがあった。悲惨なものもあれば、滑稽なものもあり、崇高なものもあれば、卑小なものもあった。だが、私にはなつかしく、あえて言えば、心地よいものだった」
これこそ、旅での街歩きの面白さの本質だろう。こういう街を多く歩きたい。

ブッダガヤのアシュラムでの生活は興味深い。ホテル以外の特殊な場所で短期間でも過ごすのは、良さそう。

インドで病気になったとき、ホテルの従業員から出された薬を飲み、これが毒だったら、と考えながら飲んだときの切迫感が印象的。

インドかどこかでの、カレーを手で食べたり、トイレで紙の代わりに水と手で済ませる件で、「また一つ自由になれた気がする」という考え方には、感銘を受けた。自由・気ままを求めることと、現地に溶け込むことは、重なる。

カトマンズは、インドのような苛烈さがなく、人が優しくて親しみやすく物価も安いため、長期旅行者の天国とか。

アフガニスタンは(現在は危険だが当時は行けたのだろう)、風景が良いらしい。特に、ジャララバードからカブールまでの景観はとりわけ美しいとのこと。いつか行ってみたい。

イスタンブールの居心地の良さは、食べ物と人の良さ。これは、居心地の良い町の必要条件だろう。

ギリシャの遺跡について、亡びるものは徹底的に亡びたほうが良い、中途半端に生きながらえさせるのは、醜い、というのは、分かる。変に観光化すべきでない。ギリシャのミストラは、廃墟らしくて良いらしい。

ギリシャでいきなり声をかけられ、知らない人の家のパーティに招かれて、楽しく過ごす、というのは、信じられない。どうすればそうなるのか。

サンピエトロ寺院の「ピエタ」について、著者は珍しく、個別の観光スポットを絶賛している。ミケランジェロは天才だと。あれを見てしまうと、他の者に興味がなくなると。

モナコからニースの海岸の景色はすばらしいらしい。

「本当に分かっていることは、分からないといことだけ」長く住んでもその国のことは、本当には分からない。
中途半端な知識で、自分勝手な結論を出すと、道を誤る、ということ。そのとおりだろう。

西の果て、ポルトガルのサグレスでのホテル宿泊の様子は印象深い。

お茶について、「T」の国と「C」の国の違いに関する考察が面白い。実際、「C」の国のほうが、旅の刺激が多い気がする。

「世界で勝負する仕事術 最先端ITに挑むエンジニアの激走記」(竹内健)読書メモ・レビュー



私は、この著者とは、経歴・キャリアの点で近いところが多く、その分共感する部分が多い。
大企業の人事制度、および人事の運用が、いかにいい加減で、客観性が無いか、よく描けている。どの会社もこんなものかと思い知らされる。

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■メモ:

フラッシュメモリ事業が成功したとき、自称「立役者」が出てきて、成功の果実を奪い合った。声が大きい人、立場が強い人の言い分が通ってしまう。

純粋に一分野を極めた人と勝負しても、後発では、勝てない。ある分野とある分野の間の、隙間を狙うのが有効。また、注目度の低い、歴史の浅い分野が良い。

スタンフォードのMBA留学は、会社の人事は当初、前例がないと反対された。大学では、英語が分からず劣等生になり苦労・・・。

どの国のどの時代も、成功体験から逃れられずに失敗している、ということ。経営の失敗は、つまるところ、心理学・哲学、によるところが大きい。

シリコンバレーで、投資先等が決められるとき、相手の人間性・信用が重視される。ウェットなもの。

アップルは、メーカーのフラッシュメモリの専門家をヘッドハントし、交渉を有利に進めようとする。

半導体ビジネスは、世代・サイズごとに、勝者・敗者となるメーカーが入れ替わる。製品ごとのコスト構造が全て。

東芝では、DRAMから撤退し、フラッシュメモリが主流になると、DRAMの部署の人が、横滑りして、フラッシュメモリの部署で、肩書きも上になった。フラッシュメモリを実際に開発した人達は、会社を辞めて行った。人事制度に問題あり。

走りながら考える、が重要。失敗したら修正する。そのとき周りで支えてくれる人が必要。

電機業界は、垂直統合型(1社で全部やる)から、水平分業型(他社の技術の相互活用・連携)に移行している。自前主義は、ダメ。

MOT(技術経営)が重要。開発者は、スイッチングコストの検討が重要(既存製品から新製品に乗り換える際に負担するコストのこと)。多岐にわたり、数値化が困難。そのコストを下げるための戦略としても、MOTが有効。

「死ぬときに後悔すること25」(大津秀一)レビュー・読書メモ

死ぬときに後悔すること25 (新潮文庫)
大津 秀一
新潮社 (2013-09-28)
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終末期医療の専門家が、1000人以上を見届けた経験から、死ぬときに後悔することに共通項があることに気付き、それをまとめたもの。
25項目の中には、高齢者向け、若い人向けが混在しており、整理して読まないといけない。
親が健在の場合、自分の親に後悔させないという視点も必要。
明日死ぬかもと思って生きてきた人間は、後悔が少ないのだろう。
終末期は、体も動かず、言葉も話せず、思考力も意欲も低下する。元気なうちに、やるべきことをやっておくべき。
仕事について後悔する人はいない。仕事は、人生においては、それほど重要ではない。
自分に正直に、自由気ままに生きることを優先すべき。

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■メモ:

1 健康を大切にしなかったこと:

健康情報等の広告・宣伝や煽り、「体験談」は、ウソが多い。「癌が治った!」の話には、ニセ癌の患者の話もある。客観的な統計データが重要。

死因第一位がんの対策は、早期発見が第一。四十代を超えたら、年に1回きちんとした人間ドックを受けるべき。

2 たばこを止めなかったこと:

喫煙は、がんや肺気腫のリスクを高める。

3 生前の意思を示さなかったこと:

死期が迫ると、話ができず、意識もなく、動けず、管や機械や、医師・看護師に囲まれ、自分の意志を家族に伝えられない。自分の意志を示す代理人を立てること、事前指示書を書くことは、有効。

患者本人、家族、医療者が最期まで遠慮なく話せる状態を作ること。家族に、人生観・死生観・医療に求めることを話しておくこと。

4 治療の意味を見失ってしまったこと:

延命治療に終始すると、生活の質が下がったり、かえって命を縮めたりする。病状と治療法の判断には、専門家の意見を聞くこと。

5 自分のやりたいことをやらなかったこと:

皆が言い残す「人生は、あっと言う間であった」と。

日本人は、自分に嘘をつき、我慢を重ね、ストレスを貯めて、結局後悔する。他人に迷惑をかけない程度に、普段から、やりたい放題、が良い。やりたいことがあるのなら、今、新しい人生を踏み出すべき。

6 夢をかなえられなかったこと:

死ぬ前に後悔するのは、夢が叶わなかったことよりも、そのために全力を尽くさなかったこと。夢や情熱を持ち続けるのは、難しいが、一つのことを続けていれば、良いことがある。

7 悪事に手を染めたこと:

死が迫ると、犯した罪の記憶・後悔、天が許さないという恐怖に苦しむ。

8 感情に振り回された一生を過ごしたこと:

死に比べれば、小事に心を乱されるのは、ばかげている。否定的感情に振り回されるより、笑って過ごすこと。

9 他人に優しくしなかったこと:

弱肉強食の世で、人を蹴落とした強者も、死期には弱者になり、後悔する。優しさが足りないなら、優しさを意識すべき。他人に心から優しくしてきた人は、自分にも優しくできる。

10 自分が一番と信じて疑わなかったこと:

社会的に成功している者ほど、独断専行になりがち(良心ある医者は、セカンドオピニオンを勧める)。特に死を前にすると、自分の力の限界を知り、一歩引いて、他人の声に耳を傾けることで、新たな世界が開ける。

11 遺産をどうするかを決めなかったこと:

遺産の問題は、介護意欲にも絡むため、難しい。主介護者の負担を考慮せず、均等に配分されると、トラブルになる。元気なうちに、子供を集めて、遺産をどうするか話し合うのが良い。

12 自分の葬儀を考えなかったこと:

悪徳な葬儀業者に無駄な金を払いたくない(家族の負担を減らしたい)、また、自分の好みと違う華美な葬儀を避けたいのなら、生前葬をするか、葬儀の計画を立てるのもよい。

13 故郷に帰らなかったこと:

亡くなる1週間ほど前から、せん妄(時間・場所の感覚の混乱)が生じる。

若い頃の記憶は強固に残り、死期が迫ると、心は過去に帰り、望郷の念にかられる。死期が迫ってからでは、故郷に帰れない。元気なうちに、里帰り、墓参りなどすべき。

14 美味しいものを食べておかなかったこと:

死期が迫ると、食欲が落ち、味覚も変わる。終末期に無理やり食べても余命は延びない。栄養よりも食の楽しみが重要で、人と団らんしながら食卓を囲むのが重要。

15 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと:

「人生=仕事」のような人は、入院して仕事しなくなると、生きがいが失われ挫折する。入院してもできる趣味(散歩、インドア系)があると動揺が少ない。

16 行きたい場所に旅行しなかったこと:

終末期は、体力面や制度(飛行機の機内での応急処置等)の点で、また楽しめなくなるため、旅行が難しくなる。余命が短くても、本当に行きたければ、旅行に行く価値はある。

17 会いたい人に会っておかなかったこと:

死期が迫ると寝ている時間が長くなり、会いに来られても話せないことがある。

18 記憶に残る恋愛をしなかったこと:

あまり重要ではないが、記憶に残るものがあるのは良いこと。

19 結婚をしなかったこと:

死期が迫っていても、形を残すために、結婚したくなる人もいる。結婚しておけば、気持ちが落ち着き、終末期の苦痛が和らぐこともある。

20 子供を育てなかったこと:

子供の有無による自由と孤独は、隣り合わせ。ただ、子供がいなければよかったと言って死ぬ人は見ない。子供は、親の死期が迫れば、血縁を意識し、面倒を見るようになる。

21 子供を結婚させなかったこと:

子供がいるのなら、過保護にせず、少なくとも独り立ちさせること。

22 自分の生きた証しを残さなかったこと:

自伝や何らかの作品を残すことも良いが、時間・労力が必要。健康なうちに。家族等に手紙を残すこともある。積極的に、何かを残そうとすること。

23 生と死の問題を乗り越えられなかったこと:

生と死の意味を自分なりに考え、哲学を確立しないと、死期が迫ると戸惑う。

24 神仏の教えを知らなかったこと:

スピリチュアルケアの村田理論というものによると、魂の痛みを感じるのは、死を超えた将来の確信(時間存在)、信頼できる家族・友・医療者等の存在(関係存在)、自己決定できる自由(自律存在)のどれかが欠けること。死期が迫って宗教に帰依する人には、社会的地位が高い人も多い。

25 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと:

素直でなかった人が最期に兄に「ありがとう」と言ったという事例の紹介(ただ、多くの場合、最期は言葉を発せないので、特殊事例)。

[ 2019/06/11 00:57 ] [読書] 自己啓発 | TB (0) | Comment (0)

「自分の小さな「箱」から脱出する方法」(アービンジャー・インスティテュート) 読書メモ・レビュー

自分の小さな「箱」から脱出する方法
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世の中のほぼ全ての人間関係の問題は、複雑なように思えて、実は根は単純。一つの問題をクリアするだけで、解決する。

ケーススタディを通じて、ポイントが一つ一つ説明されている。そのため、自分の過去の行いを振り返り、反省しながら、読ませてくれる。

「自己正当化のために歪んだ見方をして、他人を責めないこと」、「他人を、機能や物ではなく、感情のある人間として見て、配慮すること」。これを心掛けること。

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■メモ:

・人間は、相手が自分をどう思っているか、感じることができる。
・「箱の外にいる」=他人と自分を、あるがままの人間として見ている。
・「箱の中にいる」=他人を歪んだ目で、物として見ている。(自己欺瞞)
・正しい行動をとれば良い、というものではない。

・箱の中に入る過程:
1)自分が他人のためにすべきと感じたことに背く(自分への裏切り)。
2)周りを、「自分への裏切り」を正当化する視点で見る。
3)現実を見る目が歪められる。
4)つまり、自分の感情に背いたことで、箱に入る。
5)それを自分の性格として持ち歩いてしまう。
6)自分が箱の中に入ると、相手を責めることになる。それで、相手も箱に入れてしまう。
7)互いのことを責め、互いに自己を正当化する。
(自己正当化し、相手に非があると考えるようになると、相手はその感情を察知し、人間関係が崩れる。)

・箱の中にいるとき、しても無駄なこと:
1)相手を変えようとすること。(相手を責めている)
2)相手と全力で張り合うこと。(防御的になる)
3)その状況から離れること。(箱はついてきてしまう)
4)コミュニケーションを取ろうとすること。(相手を責めるだけ)
5)新しいテクニックを使おうとすること。(人間関係にテクニックは効かない)
6)自分の行動を変えようとすること。(行動だけ変えても無駄)

箱の中から外に出るには・・・、自分の中の「嘘」に気付くこと、相手を「物」ではなく「尊重すべき一人の人間」として扱うこと、相手に逆らうのをやめてみること

・箱の中にいると、業績向上に集中できなくなる。長い間箱の外に留まれるような職場環境が、業績向上につながる。

[ 2019/03/04 01:42 ] [読書] 自己啓発 | TB (0) | Comment (0)

「日本中枢の崩壊」(古賀茂明)レビュー・読書メモ

日本中枢の崩壊
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霞が関の官僚の実態、あるいは公務員全般の実態を知ることができる。官僚組織の非常識・非効率な仕事ぶりを説明。民間から役所への人材の移動が必要だろう。
地方自治体・地方公務員は、さらに酷いと想像できる。
電力会社(特に東京電力)が、政治・行政・マスコミをコントロールできるカラクリが分かる。

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■ メモ:

東電は、日本最大の調達企業で、経済界を支配。広告でマスコミを動かす。

人事院は、公務員の処遇を決める第三者機関として設置されているが、実態は、公務員で構成されており、公務員が公務員の給料を決めているのだから、高給のまま。

日本企業の「擦り合わせ」の文化が、高コスト体質になっているが、経産省はそれを推奨してきた。

霞が関では、省の利益優先の縦割り行政。打破するには「内閣人事局」が必要。先輩の意見は絶対。OBから圧力がかかるから、過去の政策は非難できない。

官から民だけでなく、民から官への人の流れが必要(リボルビングドア方式)。それには、年功序列の廃止が必要。

霞が関では、多くの幹部が、夜7~9時は外出して酒を飲んでいる。「労働時間」が評価基準。戻って仕事をして、タクシーで帰る。「居酒屋タクシー」問題も。

財務省にとって、国税庁は、マスコミを黙らせるのに有効なツール。いざとなると、査察に入る、と言って脅せる。

政治主導の実現には、ヒト、モノ、カネの掌握=国家戦略スタッフ、内閣人事局、予算局(官邸の)、が必要。

著者は、経産省で、独禁法9条の改正(純粋持株会社の解禁)を進めたが、有力な学者は左翼がかった人が多く、公取委と癒着していて、反対された。

電力会社は、儲かると、料金を下げろと言われるため、儲からないように、福利厚生などを充実させていた。

壮大な無駄と、政官癒着の構造を作っていた。競争が無いことが諸悪の根源。

発送電分離で、競争環境を作れば、解決する。著者は、OECD勤務時、OECDが日本に発送電分離を勧告する方向で進めた。新聞記事になって、省内・東電は大騒ぎになり、クビにさせられそうになった。

官民挙げてのインフラ輸出ビジネスは難しい。政府は、ビジネスの感覚が乏しい。新たな利権を狙っている。

日本経済の破綻を防ぐには、デフレ解消、政府資産売却、TPP参加による自由化促進、などが必要。その上での増税ならやむを得ない。

社会保障改革、ムダなバラマキの廃止、ダメ企業の淘汰による生産性向上も、必須。

小泉・竹中による構造改革は、まだ足りなかった。

日本の農家は、競争力がある。一方、補助金目当てで手抜きする人も多い。

平成の身分制度=優遇されている、官僚・農民・高齢者・中小企業経営者(世襲の)の既得権益を捨てさせることが必要。

日本の観光業を育て、景観を守るには、醜い建物は禁止すべきだし、廃墟になったビル・看板は積極的に壊す公共事業も必要。

「生命とは何か―物理的にみた生細胞」(シュレーディンガー)読書メモ・レビュー

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)
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シュレディンガー方程式の人が大昔にこんな生物学の検討をしていたということ自体が驚き。

昔の本にありがちな、読みにくさ。まとまりの悪さ。

しかし、未知の分野に対して、他の分野の知識を適用するアプローチの仕方は、良い勉強になる。学生・研究者は、こういう姿勢を学ぼう。

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■メモ:

生物の体は、なぜあんなに大きいのか?・・・
n個の要素のうち、「不正確」なものが、√n 個あると仮定すると、その割合は1/√nとなる。
nが大きいほど、不正確さが減る。生物が、個体として一定レベルの秩序を持つためには、この不正確さを一定の割合以下にする必要がある。そのため、nが一定値以上、つまり生物の体は一定の大きさ以上である必要がある。

遺伝子の永続性は、不連続性に起因する。(量子力学的に)

突然変異は、まれな出来事でなければならない。(高度の永続性のため)

生命体は、負のエントロピーを食べて生きている(ように見える)。

[ 2019/01/25 23:10 ] [読書] 科学技術 | TB (0) | Comment (0)

「ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 旅行写真」(ロバート・カプート)レビュー・読書メモ

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 旅行写真
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プロの旅行写真家・風景写真家のノウハウを、少しでも身につければ、今まで撮れなかったような良い写真がとれるかもしれない。本書は、そのヒントが多く書かれている。

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■メモ:

旅先の雰囲気を写す:
・事前にリサーチして、何を撮りたいか考える。
・その場所のプロの写真を参考に、どう撮られたのか考える。
・その土地の文学作品・文化を予習する。
・目的地に着いたら、第一印象を記憶に留めるかメモをする。

プロ写真家からのアドバイス アイラ・ブロック 遊び心あふれる創造性:
・眺望のきく場所を探す。上に登る。
・小さな三脚を持つ。
・夜の写真は、真っ暗なときでなく、夕暮れに撮る。

機材を選ぶ:
・予備のカメラも持つ。
・小型のテーブル三脚も、無いよりましで、どこでも使える。
・カメラは、首か肩にかけ、すぐ撮影できるようにしておく。

構図:
・写った物全てに意味がある。不要な物は写らないようにする。
・三分割法。メインの被写体は、中央に置かない。
・上下・左右の端から1/3の線の交点がスイートスポット。
・奥行を出すこと。
・リーディングライン:視線の誘導。
・フレームの端から被写体に向かう線を活用。(フェンス、道路、雲など)
・前景要素:手前に写る物。被写体の添え物として相応しい物を。
・被写界深度:ピントが合いシャープに写る範囲。注意を引く範囲を絞る。
・グラフィック要素:色、線、形、パターン、質感、を意識する。
・アングルは重要。印象が変わる。特に人物。下から撮ると威厳を与える。
・写真の中にフレームを取り込むことも。

技術を学ぶ:
・広角レンズと望遠レンズを使い分ける。
・1/60秒以下の遅いシャッタースピードは三脚が必要。
・シャッタースピードと、パンで、動きの見え方が変わる。
・カメラの保護には、ビニール袋も有効。湿気や寒さでの結露にも注意。

プロ写真家からのアドバイス サラ・リーン 被写体とかかわる:
・水面の反射が綺麗なのは、早朝。

光源をさがす:
・手持ちで手振れしないのは、シャッタースピード1/60秒。
・光が足りなくても、その場の光源を探し、遅いシャッタースピードで何とか。
・光の状態が読みにくい場合、一段上・一段下の露出でも撮っておく。

天候や季節を考慮する:
・雨には、防水対策でカバーやタオルを使う。
・雨・雪は、シャッタースピードと背景で見え方が変わる。
・季節感を示す物、人物を撮る。

時間帯を選ぶ:
早朝と午後遅くの時間帯が良い
- 低い角度で光が当たると、輪郭・陰影が豊かに見え、奥行きが出る。
- 赤色など長い波長の光を多く含み、より美しく、心地よく見える。
- 市場・街角の活動が活発になる。野生動物も。
・旅先に到着したら、外に出る。太陽を浴び時差対応。翌日の予習。
・早朝(日の出)に外に出て、遅くまで外にいる。
・夜明けと夕暮れは3度のシャッターチャンスがある
- 日の出前、日没後の、弱くかすんだ光がさしているとき。
- 日の出直前、日没直後の、色鮮やかな光が空に満ちている時。
- 日の出、日没そのもの。
・夜の都市は、雲が多いときがよい。都市の光を雲が反射する。
・夜景は、露出の上下1段、絞り値の上下2・3段でも撮っておくと良い。
・レンズを装着したカメラを太陽に向けたままにしてはいけない。

プロ写真家からのアドバイス ジム・リチャードソン 撮影相手を尊重する:
・課題、アイデアを考え、予想しながら撮る。

旅先の被写体:
・その場所を見たときの感情・印象・特徴を、撮るようにする。
・撮る物は3つ:広角で全体の雰囲気、歴史的建造物、人々の生活。
・有名な場所は、一味違う工夫も必要。
・建物・モニュメントは、何を象徴しているか考えて撮る。
・室内でも、時間帯や天気で写りが変わる。
・野生動物は、顔を写すには300mm望遠があるとよい。
・少ない被写体に多くの時間を割く。野生動物にはジグザグでゆっくり近づく。

冒険旅行:
・懐中電灯が光源になる。

「エネルギー問題!」(松井賢一)読書メモ・レビュー

エネルギー問題!
エネルギー問題!
posted with amazlet at 19.08.12
松井 賢一
NTT出版
売り上げランキング: 339,773


・エネルギー全般について、技術・政策・経済などの面から、客観的に現状を解説する良書。
・幅広く、課題を網羅している。また、各事項の説明の濃淡のバランスがとれている。重要な課題・問題点には相応の文字数で解説されている。
・特に、原発に関心のある人は、読むべきだろう。原発問題だけを見ていても「木を見て森を見ず」になる。本書を読めば、エネルギーの全体の課題を概括的に理解できる。そこから自ずと、その一部として原発のあり方が見えてくる。(特に、反原発派には、エネルギー全体のことを数字で考えずに、気分だけで反原発を訴えている人が多い。せめて本書に書かれてあるような基本を知ったうえで、物を言うべきだろう。)
・再生可能エネルギー(いわゆる自然エネルギー)は、長期的には、研究開発を進めるべきだが、すぐに基幹エネルギーになるものではない、ということを、改めて認識させられる。
・ただし、スマートグリッドに関する記述は貧弱すぎる。将来のことを考えれば、スマートグリッドにはもっと詳細に言及してほしかった。スマートグリッドについては、別の本を併せて読むとよいだろう。
・なお、本書は、東日本大震災・福島の原発事故の発生前に書かれている。そのわりには、原発に関して違和感のある説明もなく、余計なバイアスが無い。

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■ 読書メモ(備忘録・要旨):

Chapter1 石油問題の本質――石油時代終わりの始まり:
1.石油はなくならない:
・確認可採埋蔵量は、増え続けている。理由は、探査・開発技術の進歩、新たな油田の発見。
・いつまでたっても、「あと30年、40年」なのは、埋蔵量/生産量の比が恣意的に変えられるため。
・石油会社にとっては、15年程度が理想。
2.石油価格は乱高下する:
・乱高下の理由は、需要は必ずあるが、供給は独占性が強く、供給量を絞って価格を吊り上げられるため。
・乱高下を防ぐには、先物市場の監視消費国の団結などが有効。
3.低落しはじめた石油の地位:
・石油資源の枯渇よりも、需要側の石油離れが先。電気自動車の影響が大きい。

Chapter 2 息の長い石炭、急成長する天然ガス:
1.息の長い石炭:
・石炭の種類・用途は多様。2000年から2007年にかけてのエネルギー消費量で最も伸びたのは石炭、次が天然ガス。
・中国・インドの消費増が大きいため。
・石炭の欠点は、CO2排出量が大きいが、CCT, CCSにより解決可能。
2.急成長する天然ガス:
・天然ガスの種類:
・構造性ガス(メタンガスのガス田)、随伴ガス(油田副産物)、メタンハイドレート、他。
・ガスの輸送手段は、パイプラインが主流。LNG(液化天然ガス)として運ぶ方法も急拡大した(特にアジア)。
・極東ロシアには、膨大な天然ガス資源がある。日本の消費量100年分近く?
・日本では、全国的なガスパイプラインができなくて、天然ガス消費量が少なかった。今後は増える。

Chapter 3 原子力との共存:
1.核分裂の発見から原爆の製造へ
・核分裂により発生するエネルギー E=mc^2。特殊相対性理論。質量が軽くなり、その分巨大なエネルギーが発生する。
・核融合も、融合前の原子の和より質力が軽くなる分、巨大なエネルギーが発生する。
2.原子力平和利用と核不拡散体制の確立:
・米国では、「軍備管理論」に基づき、国際条約締結等の体制構築を進めた。
・IAEAでは、核の一元管理が必須ではなく、二国間取引も認めている。
・NPT 核不拡散条約は、5か国に有利な不平等条約。
3.原子力発電所の安全確保と原子力発電所事故:
・放射線では、ガンマ線が最も危険とされる。アルファ線、ベータ線は体内被曝があれば危険性がある。
・臨床症状が現れないのは、250ミリシーベルト以下。
・ICRP勧告では、医師・放射線技術者等は、蓄積を考慮すると、5年の平均で年20ミリシーベルト、また1年では50ミリシーベルト以下。
・一般の人は、1ミリシーベルト。
・日本の基準はさらに厳しくされている。
・原子力発電所は、何重にもわたる多重防護構成で、安全性を確保している。
・ただし、リリエンソールは、これが装置を複雑にし、いざというときの誤作動、ミスを起こすため、より単純で効果的な装置が良いと指摘している。
・スリーマイル島の事故は人為ミスが原因。被害は小さかったが、パニック状態になった。
・チェルノブイリの事故は、IAEAは当初、原因は作業員の操作エラーとしていたが、原子炉の設計が原因と訂正した。
4.揺さぶられる核不拡散体制:
・イラク、北朝鮮の核疑惑。(IAEAの査察拒否など)
5.今日の課題:
・国際情勢の課題:
(原子力発電国が増えて、核拡散拡大のい危険視が高まった。アメリカのインドの原子力協定締結(インドはNPT不参加)。国際的な核物質管理等のシステムを作る動きが強まる。核保有国の核廃棄意欲。核テロの脅威が高まる。)
・国内情勢:
(核燃料サイクルは原子力発電に必須だが、日本は遅れている。再処理技術の開発が遅れたから。
反プルトニウムキャンペーンなどが影響。「トイレのないマンション」という批判)

Chapter 4 再生可能エネルギーは補間的役割・省エネルギーの逆説:
1.再生可能エネルギーは補間的役割:
・再生可能エネルギーの源は、太陽。(水力も含めて)
・太陽光発電のコストは下がってきた(蓄電の技術・コストと、インバーターの変革)。
・風力は、変換効率が低く、天候に左右され、場所もとるため国土の狭い国には合わない。
・太陽エネルギーは薄く広くばら撒かれ、エネルギー密度が低い。集めるのが大変。
・天候にも左右される。赤道付近が有利。
・再生可能エネルギーは、コストがまだ高く、世界の人口増加を考えると、基幹エネルギーになる見込みは無い。
2.省エネルギーの逆説:
・「エネルギーの効率が上がれば、需要も上がる。」
・省エネルギーには、5つの側面がある(変換効率向上、技術効率(生産目的)、産業・民生・交通の活動単位当たり消費量、GDP当たり消費量、我慢して使わない)

Chapter 5 地球温暖化問題――政治を利用する科学、科学を利用する政治:
1.政治を利用する科学:
・地球温暖化の説と、寒冷化の説の両方がある。
・政治的課題に引き上げたのは、IPCC初代議長のベルト・ボーリン教授とIPCC第一作業部会初代議長のジョン・ホートン卿。
2.科学を利用する政治:
・IPCCの議論は、アングロサクソンペースで進んだ。
・炭酸ガス主犯説は、客観的な証明ではなく、多数決で決められた。
・温室効果ガスの排出削減量の目標の、基準値設定も、欧州有利なものに。
・京都議定書は、排出権取引が取り込まれ、複雑になったが、使いそうなのは日本くらい?
・米国は、さんざん引っ掻き回したのに、批准せず、離脱した。
・日本は、炭酸ガスを減らすのに、米国の倍のコストがかかる。
3.政治に利用される科学の危険性:
・地球温暖化説は、優生学とルイセンコ学説に通じるものがある。
・データと問題についてのオープンで率直が議論が抑圧されている。

Chapter 6 世界のエネルギーを動かす人々:
1.エネルギー観の変遷:
・石油を大量に使わせよう、原子力発電を広めよう、化石エネルギーの使用をやめさせて地球温暖化を防ごうと望む人達が組織的な活動をして世界のエネルギー世論を誘導していた。
2.エネルギー情報の発信と知的戦略集団:
・IPCC(2500人いる)は、一部の中核メンバー(30人くらい)が影響力の強い専門家だが、そこでも意見は分かれてた。
3.モデルと予測
・モデルは単なる試算の結果なのに、将来必ずこうなると期待されるケースが問題。
・モデルを使って動かす人は、何らかの予見を持ち、それに見合うようなモデルを開発し試算を行っている。
・大型モデルがよりよい情報をもたらすとは限らない。

Chapter 7 人類・文明・エネルギー:
1.七つのエネルギー革命:
・人類には7回のエネルギー革命があった。
1) 火の利用開始。人口増につながった。
2) 農耕・牧畜の開始。技術・都市化が生まれた。
3) 鉄の利用開始。青銅より硬く用途が広く生産量も多い。
4) 火薬の利用開始。最初の人工的なエネルギー。
5) 石炭の利用開始。蒸気機関の実用化に。
6) 石油と電気の利用開始。電力網の普及。
7) 原子力の利用開始。戦争の形式にも影響。
2.技術発展の大きなうねり:
・○○は可能だ、という科学者の意見は、正しいことが多いが、○○は不可能だ、という科学者の予想は、誤りが多い。
・発明・発見には、予期されてたものと、予期されてなかったものがある。
3.人類・文明・エネルギーの歴史が教えること:
・20世紀は、火力発電、自動車など、19世紀に発明・発見された技術で繁栄した。
・21世紀は、量子力学の技術など、20世紀の発明・発見で繁栄する。

Chapter 8 日本のエネルギー政策を振り返る――特徴、成功と失敗:
・日本のエネルギー政策の特徴
10年周期で政策の局面が転換している。
1941-51: 占領下の経済復興とエネルギー供給基盤整備。石油普及。
1952-61: 経済自立とエネルギー産業近代化。貿易自由化。
1962-72: 高度成長・総合エネルギー政策。LNG増大。
1973-85: 石油危機と省エネルギー転換。
1986-96: 規制緩和と地球温暖化問題の登場。
1997-07: グローバリゼーションと地球温暖化問題への対応。
・戦後、民営電力体制は GHQが望んだものだった。
・日米構造協議の中で、エネルギーに関しても、規制緩和が求められた。
・電力分野に関しては、独立した規制機関の設置、透明・被差別的な託送サービスの提供、公正な託送料金の設定、自由化の点検スケジュールの設定など。
・背景では、ブッシュ大統領とエンロン社が動いていた。
・電力の自由化:
電力会社は、部分的最小限の自由化を、時間をかけて、発送電分離はしないという条件を示すなどして、時間稼ぎをした。
・日本のエネルギー政策の成功と失敗:
石油の安定供給の観点では、外資依存が強く、日本の政策は失敗した。LNGでは、成功している。原子力では、核燃料サイクルの確立の遅れが問題。

Last Chapter エネルギー革命が始まった――日本の長期エネルギー戦略は

・2008年の原油価格高騰で、石油離れが決定的となった。
・原子力ルネッサンス:原発の無い国での原発建設、新型の原子炉など。
・小型原子炉は、2015-2020年頃から世界的なブームとなりうる。
・東芝の4S原子炉に注目。
・ハイブリッドカー、電気自動車、燃料電池車。スマートグリッド。

・政府の「新・国家エネルギー戦略」の問題点:原油価格が高止まりするという前提がおかしい。地球温暖化への積極的な取り組み方針も疑問。

・今後(2008年)からの10年は、石油時代の終わりの始まり。新たな時代を築くパラダイム技術は、100年・200年にわたって世界を変革する。核融合反応にも可能性はある。

「これからの「正義」の話をしよう」(M.サンデル) 読書メモ・レビュー

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル サンデル
早川書房
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・哲学は、単なる屁理屈ではなく、現実社会に応用できるということを分かりやすく示している。
・自分の行動指針や、世の中のあり方などについて、「何が正しいか」を考える上で、今後、今までと少し違う思考回路で、より深く考えられるようになった気がする。
・ビジネスにも当てはまる面がある。企業での人事などの制度設計、契約や交渉などの進め方等に応用できそう。(取引先・顧客の権利の尊重、自社の利益の最大化、企業の社会的責任(CSR)のバランスなど。)
・興味深いのは、実力、才能、努力(する能力)さえも「運」による側面が強いのだから、成功者は利益を還元すべきという考え方。社会全体でもそうだが、企業内でも当てはまるだろう(報酬が多い者ほど、報酬以上の仕事をしろ、ということ)。
・著者は、自身でも認めるコミュニタリアンであり、著書の後半では、その主張が強く出てくる。しかし、その根拠の説明にはあまり納得できない。個人的には、リバタリアニズムを支持したい。コミュニティへとの関わり方自体も「個人の自由」ではないかと思うのだが…。

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■ 読書メモ(備忘録・要旨):

1章: 正しいことをする

・被災地での便乗値上げは悪か?正常な市場でなく買い手に自由が無いことを考慮すべき。一方、増産を促すインセンティブになるため、値上げは認められるという考え方もある。
・正義の論点は、幸福、自由、美徳。

・米国金融危機での金融機関救済への批判は、強欲への報酬ではなく、失敗への報酬(納税者の負担)が許せないから。一方、経営者には制御不能だったとの見方もある。ただ、それなら、好景気時の業績も、彼らの実力ではなく経済状況の
おかげということになるため、報酬が多すぎという話になるが…。

・道徳的な難問への考察、現実的な状況と原則との乖離による混乱の分析などが、哲学への衝動となる。考察は、社会全体で取り組むべき。

2章: 最大幸福原理―功利主義

・功利主義=効用(幸福-不幸)の総和の最大化。
・相反するのは、個人の人権尊重。
・また、幸福の度合いは、共通の価値基準で計測可能なのか?(チェコのたばこ増税の話:喫煙者が多い方が早死にする人が多いため医療費負担が節約できてた。)
・功利主義は、命の値段の話になる。(例:フォードのガソリンタンク事件では、命は20万ドルのコストとされた。道路の制限速度を10マイル引き上げると、事故死者数が増えて、通勤時間短縮による便益がある。この場合、命の価値は154万ドル。)

・一方、自由・個人の権利の尊重は、短期的には、功利主義に反するかもしれないが、長期的には、多方面への影響を考慮すれば、効用の最大化につながるとの見方もある。

・質の高い快楽と質の低い快楽の区別。両方を経験した人が、どちらが価値が高いか判断できる。一方、質の低い快楽を望んでしまう傾向もある…。

3章: リバタリアニズム(自由至上主義)

・最少国家:パターナリズムの拒否(自傷的行為を行うものの保護の法律に反対)、道徳的法律の拒否(美徳の奨励に反対)、所得・富の再配分の拒否。
・参考文献:ハイエク「自由の条件」、フリードマン「資本主義と自由」

・自由の前提として、初期財産の公正、移転の公正があるべき。所得再配分の強制は、労働の成果・時間を奪うことに等しい。つまり自分自身を自分が所有している状態が奪われる。

・マイケル・ジョーダンへの高額課税への正当性について: ジョーダンは運が良いからその分課税すべきという考えには正当性があるかも。
・自己所有権の問題。自分は自分の物か。人身・臓器売買、幇助殺人は、正当化されるのか(自分の命を捨てるのも自分の権利と言えるのか)。

4章: 雇われ助っ人 ― 市場と倫理

・市場の利点:自由の尊重、幸福の促進。
・市場の限界:自由とは限らない、腐敗・倫理の問題が生じることがある。

・米国の南北戦争の徴兵制で、身代わりの募集が認められた(市場で身代わり兵を調達)。問題視されたが、通常の志願兵(国民が雇う身代わり兵)と本質的な違いはない。

・徴兵制、身代わり可の徴兵制、志願兵制の中では、功利主義・自由主義の双方の観点から、志願兵制が優れていると考えられる。(反論:他の選択肢がなく志願兵になる場合もある。実際、米国の兵は低所得層がほとんど。また、兵役は市民の義務・責任との見方もある。商品化してはならない。陪審員と同じ。)

・市場の論理で、外国人兵士を認めるか(フランスでは導入済み)。また、米国では、民間企業(ブラックウォーター社)に兵力を外注している。結局、民主主義社会での、市民の義務とは何か、という問題になる。

・代理出産は、リバタリアンと功利主義の観点からは、支持される。しかし反論として、瑕疵ある同意(代理出産する母が十分な情報を与えられていないなど)、赤ん坊・出産行為は売買の対象とすべきではないという議論がある。また、卵子の提供者と子宮の提供者が別に形態も出てきたため、状況が変わりつつある。インド西部のアナンドは、商業的な代理出産の集積地になりつつある。

5章: 重要なのは動機 ― イマヌエル・カント

・カント:「道徳形而上学原論」で、人格の尊重、人権を論じた。
・功利主義、美徳を認めず、「自由」を尊重したが、より厳格で崇高な自由に限られる。快楽・欲望に従う自由は、本当の自由ではない。

・カントの自律・自由は、目的を選択すること。
・「そうすることが正しいから」という、「義務の動機」が、道徳的価値を持つ。自律=自らに課した法則に従って行動する。その法則は「理性」に基づく。

・理性が意志を規定する方法:
仮言命法(条件付き・理性を道具にする)、
定言命法(無条件・理性と一致)。→ 定言命法の形態: 不変的法則(万人に当てはめても矛盾が生じない原則のみに従うこと)、人間性・人格を究極目的として扱うこと。

・自分を規定する観点:
感性界(物理学、生物学等の自然法則に基づく)、英知界(理性に基づく)。
英知界の観点からのみ、自由と見なせる。

・カントの思想の応用例:
1) 行きずりのセックスは、相手の人間性を尊重せず、性欲を満たすために相手をモノとして扱う行為のため、認められない。自分自身もモノとして扱ってはならない。売春も不可。
2) 殺人者に嘘をつくのも誤り。常に真実を言うべき。道徳法則に例外を設けるべきではない。「嘘」ではなく「真実だが誤解を招く表現」を使うのが良い。

・カントの政治論:公正な憲法は、仮想上の契約による(仮想的に、国民の総意にをもって立法した形)。

6章: 平等をめぐる議論 ― ジョン・ロールズ

・仮説的契約の2種類の原理:(1)基本的自由を全ての人に平等に与える (2) 所得・富の平等な分配。

・契約に同意があれば公正、とは限らない。公正さの基準が必要。
・同意に基づく義務と、利益に基づく義務、の区別の問題が出てくる。

・分配の正義:
封建制度:固定的階級、
自由主義:機会の形式的平等(自由市場、裕福な家に生まれるのが有利)、
実力主義:公平な機会均等(教育の機会均等も伴う)、
平等主義:ロールズの格差原理(天賦の才を全体の資産とみなし、才能が生み出した利益を分かち合う)
→ 格差原理では、努力のモチベーションが下がる懸念もあるが、努力自体も、家庭・社会環境に依存するとみなす。

7章: アファーマティブ・アクションをめぐる論争

・入学試験等で、多様性確保等の観点から、マイノリティの学生を優遇することは認められるか?
疑問1:実効性。マイノリティ学生の自尊心が傷つく。人種間の緊張が高まる。
疑問2:原理。本人の落ち度のない理由で落とされる。
→ しかし大学の社会的使命を定義して初めて合否判断の公平な基準が決まるはず。

8章: 誰が何に値するか ― アリストテレス

・アリストテレスの正義論:
1. 正義は「目的」にかかわる。物の正しい分配は、物の目的で決まる。
2. 正義は名誉にかかわる。

・アリストテレス:政治の目的は、善良な生活、善の促進。→道徳を発揮した人が最も高い名誉に値する。
・人間の本質:都市国家に住み、言語能力を使い、政治に参加すること。行動することが必要(美徳は、行動・習慣から生まれる)。

・アリストテレスは、奴隷制を肯定した(条件:必要とされ、「適性」のある人がいれば)。
・一方、リベラル派によれば、正義は、「適性」より「選択」にかかわる。

9章: たがいに負うものは何か? ― 忠誠のジレンマ

・国家は、歴史上の過ちを、公式に謝罪すべきか。
→過去の傷をふさぎ、道徳的・政治的な和解の基礎になる。金銭的補償は、その具体的表現として理にかなう。被害者・その子孫への不正の影響も軽減される効果がある。

・ただし、原理的に、先祖の罪を謝罪することはできないとの主張もある。
・道徳的個人主義:責任は(過去の人ではなく)自分が引き受けたものだけ。

・カント、ロールズは、アリストテレスの目的論を認めない。正しさは、善に優先する。選択の自由があるべき。

・行政府は、道徳的に中立(自由に価値観を選べる)であるべきか。
→ コミュニタリアンはこれを否定する。目的・責務を重視。

・マッキンタイア:自分のアイデンティティは、自分の属するコミュニティの物語に埋め込まれる。

・道徳的責任:
1. 自然的義務(普遍的、合意不要)
2. 自発的責務(個別的、合意要)
3. 連帯の責務(個別的、合意不要)→一定の歴史を共有する人間の責務。

・愛国心、移民の制限、「自国製品を買おう」の問題。
・愛国心の根拠、同胞の福利への責任があると考えるなら、連帯の責務を受け入れるべき。
・「忠誠」は、普遍的義務に勝ると言えるか。

・著者の主張:自由の構想には欠陥がある。

10章: 正義と共通善

・リベラルな中立性(ケネディが支持、オバマが拒否):
政治的主張は、個人的道徳・宗教的信念を排除すること。

・妊娠中絶、ES細胞(胚性幹細胞)の研究:胎児はいつ人になるかという道徳的・宗教的論議がある。
・同性婚を認めるか(結婚を、公的な承認の対象とせず、民間団体に承認を委ねる考え方もある)。結婚に選択の自由を認めると、一夫多妻制の正当化につながる。結婚の「目的」は、生殖か、独占的愛情関係か、という議論になる。

・著者の主張:
正義は、最大多数の最大幸福、選択の自由の尊重よりも、美徳の涵養と共通善を優先すべき。
共通善に基づく新たな政治:
1. 市民権、犠牲、奉仕(社会奉仕、ボランティア、公教育を推進)
2. 市場の道徳的限界(兵役・出産・教育等の社会的慣行への、市場の侵入の制限)
3. 不平等、連帯、市民道徳(不平等が拡大すると、連帯が失われる)
4. 道徳に関与する政治(道徳的・宗教的信念を避けず、議論すべき)

[ 2011/09/04 20:07 ] [読書] 自己啓発 | TB (0) | Comment (0)